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蓮生法師の御墓所。
夫人の相模の方と息子の直家の墓も側に建立 |
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JR熊谷駅より徒歩15分。熊谷市仲町にある浄土宗蓮生山熊谷寺は、蓮生法師を開山、幡随意上人を中興とする由緒ある古刹です。「蓮生」とは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍し、「坂東一の剛の者」と称えられた武将の熊谷直実が、出家してから名乗った法名です。
「京都では僧侶の蓮生さんで知られていますが、関東では武将としての熊谷直実がクローズアップされており、出家してからのことは、ほとんど知られていません」と、蓮生山熊谷寺の住職漆間淳郎さん。確かに、熊谷駅前のロータリー広場に建つ銅像も武将姿です。
熊谷直実は、武蔵野国熊谷郷(現・熊谷市)の領主・熊谷直貞の三男として生まれ、幼名を弓矢丸といいました。
その名の通り、弓の名手であったそうです。源平の合戦では、源頼朝に従って御家人となり、武勲によって熊谷郷の地頭職に任ぜられました。源氏と平氏の命運をかけた一の谷の戦いでは、源義経の配下として先駆けし、心ならずも自分の息子と同じ年頃の若武者、平敦盛を討ち取りました。これが出家を決意する動機になったと伝えられています。 |