1973年(昭和48年)7月13日、小針地区の公共工事にともなってできた池の水面に、古代蓮が花開きました。
造成中に偶然掘り起こされた種子が自然発芽したのです。
科学的な測定と専門家による年代考証の結果、この蓮は、約1400〜3000年前のものと推定されています。
「古代蓮の里」では、自生地から移植した古代蓮を「行田蓮」と呼び、大切に育てています。「古代蓮の里事業部」の山子学さんは「行田蓮は、他の蓮に比べると花びらの数が少なく(17〜18枚前後)、花びらの色はやや濃い紅色をしています。花径(花の大きさ)は25〜28cm程度でしょうか。原始的な形態を今に残す蓮ですね」と稀有な特徴を説明。地中深く眠っていた蓮の実が大量に芽吹くことはめずらしく、行田市はこの蓮を天然記念物に指定しました。

「古代蓮の里」は、ふるさと創生事業の一環として整備された公園です。公園の面積は14ヘクタール(東京ドーム約3個分)。園内では、「行田蓮」をはじめとする41種類の花蓮を鑑賞できます(蓮の開花時期は6月中旬〜8月中旬)。また、蓮のほか、サクラや梅林といった樹木、オニバスやスイレン、アサザ、コウホネなどの水生植物(約15種類)を楽しめます。
2001年(平成13年)にオープンした古代蓮会館展望タワーは、行田市のシンボル的存在です。「1階は、行田市の自然や蓮の生長の様子を紹介する展示室。2階は高さ50mの展望室で、関東平野の山々を一望できます。
ぜひ行田の豊かな自然を、見て、触れて、楽しんでいただきたいですね」(山子さん)


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