文殊寺




 崇芝性岱大和尚により開山された文殊寺は山号および寺号を「五台山文殊寺」と称し、地域の人々からは「野原の文殊さま」と呼ばれ親しまれています。もともとは関東地方の平和を願って鎌倉時代に建立された天台宗の※古刹ですが、1481年の大火の後、禅宗に改め再興されました。
 本尊の文殊菩薩像は随から渡来し、聖徳太子が筑紫から都へ迎えたものと伝えられています。文殊菩薩を祀ったお寺は全国に数多くありますが、※丹後の切戸、※出羽の米沢、武州の野原は特に聖徳太子ゆかりの文殊菩薩像を祀る「日本三体文殊」とされています。「3人寄れば文殊の知恵」のことわざ通り、文殊菩薩は知恵を司る仏さま。
古くから学問にゆかりの深いお寺として人々の信仰を集め、江戸時代には※寺領20石の※御朱印地として栄えました。現在も県内外から数多くの受験生やその親たちが合格祈願に訪れる“知る人ぞ知る”有名スポット。とりわけ年に一度、本尊の「文殊師利大菩薩像」が開帳される2月25日の大縁日は受験シーズンということもあって大勢の参拝客が訪れ、境内は大変な賑わいとなります。
   
古刹・・・・・・・ (こさつ)古い寺
丹後・・・・・・・ (たんご)現京都府の北部
出羽・・・・・・・ (でわ)旧国名、現山形&秋田の大部分
寺領・・・・・・・ (じりょう)寺院が所有する土地
御朱印地・・・ (ごしゅいんち)江戸幕府が寺社に対して朱印状を下付してその所領を確認した土地


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